サイパン戦没者慰霊の旅
仲間のお寺さんを介して
ある千葉のご婦人のご依頼により サイパンの戦没者慰霊に師僧の随行として行ってきました。 サイパンといえば、グアムと並んで日本でも馴染みのあるリゾート地のイメージであったが、今時は日本からの旅行客はめっきり少なくなっているようで、飛行機も我々の行きの便を最後に、直行便がなくなるとの事であった。 到着後その日の内に翌日供養して廻る場所を確認し、必要な物の買出しを済ませ一路ホテルへ。 翌朝は観光客などが来る前にと早朝より出発し、最期の司令部跡や万歳クリフ等、計5カ所を午前中の間に一気に供養して廻った。 万歳クリフで海に向かって光明真言をひたすらお唱えしながら、この場所からどの様な思いで身を投げたのか、吹き荒ぶ潮風の中で少しでも思いを汲み取れたらと手を合わせていた。 当時、捕虜になるくらいならと、自決を選んだ人々の想い。日本人としての心を護る為に決断を下した時の感情。その全てを汲み取る事が出来ず、私自身あまりに緩いところで生きているんだなと思いしる。 勿論自決を美化させてはいけない。 生きて捕虜になっても日本人としての誇りを護れたんではないかとも思うが、それとてその状況に居ないからの意見である。 ただ、一つ言える事はこの國を護る為に尊き命を捧げた人々が今の日本を見た時、私たちが護りたかったのはこんな國ではないと思われていることだろう。 サイパンの空と海は澄み渡る青、そこに咲く花は鮮やかなパステルカラー。 日本から旅で来た者には、とても魅力に溢れる土地である。 しかし、この土地の土と、この国の海には、 まだまだ戦争の傷跡が沢山残っている。 我々はここに眠る日本人の誇りと想いを また次の世代にも伝え続けなければならないと思う。