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謹賀新年


新年明けましておめでとうおめでとうございます。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

昨年を振り返れば、戦後七十年の記念の歳であり各地、各方面で記念事業、法要が行われました。戦争の愚かさ、悲惨さを改めて痛感し、今後同じ過ちを繰り返さない為、私も含め戦争体験のない世代の心に刻み込まれる事を切に願う歳でありました。

しかし、世界をみるとテロという卑劣な方法で人々の命を奪う恐怖が遠い話ではなくなった歳でもありました。人類にとって救済の為にあるはずの宗教が、今は戦争やテロの大義にされてしまっている事に大変憤りを感じます。

本来の宗教の姿、あり方が問われているのかもしれません。

日本においても、宗教への信仰、特に仏教との関わりが希薄になっているように思います。

神仏のと関わりは日本人にとってその精神にも通ずるものだと思っています。生活や生き方の中に神仏の教えがあります。(例えば、お正月の門松は新しい年の歳神様をお招きする依り代である等)しかし、最近はその意味が分からない事で、省かれてしまったり、捨て去られてしまっています。

怖いのは行事や祭りがなくなる事ではなく、本来日本人のもつ精神文化が変わってしまう事です。古来より我慢強く、温厚で美徳を重んじる、和の精神が失われることです。

本来家庭の中で親が子や孫に伝えるべき事を、伝えなくなっているからだと思います。

僧侶は今まで以上に当たり前だった事も、細かく意味も含めて伝える事をしていかなければならないと思っております。

皆様にとって素晴らしい一年をお過ごし頂けます事、心よりお祈り申し上げます。


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