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新年のご挨拶



旧年中は大変お世話になり、

誠にありがとうございました。

昨年末に鎮まりかけていた疫病は、新種に変異し今年に入って急速に広まり始めています。

テレビなどではそこまで重症化しない分、感染力が強く広まりが早い等々、様々な情報が報道されていますが未だその詳細を把握出来ていない状況の中、政府や自治体には緊急の対応が迫られております。我々も其々がこの疫病をどのように捉え、対応していくのか考えなければなりません。

そんな昨今無差別に人を巻き込んだ犯罪が急増しているように感じます。犯行者は「生きる意味を見いだせなくなり、大きな事件を起こせば死刑になれると思った」というような犯行動機を語ります。「生きる意味」とは?とても深い言葉です。

我々仏教者が考えるこの世界での「生きる意味」は魂を磨く修行であると考えます。今この世では肉体を持って生まれますが、魂はその細胞に宿り肉体が亡くなっても無くならず、一旦あの世と言われる所に戻り、また期をみて人間界に降りてきます。これを輪廻転生といわれます。この人間界では生まれた人としての人生を全うすることが修行とされ、その行いの内容により魂の輝きが増すのかどうかといういうことが試されます。

魂の磨きが達成されると、極楽とよばれる仏様達が住む世界に到達し、そこからはもう生まれ変わることがなく、安らかに暮すことが出来ます。このことを「悟る」とか「成仏」といわれます。今生で悟りを得る人はなかなかおりませんが、そこを目指して精進します。この世にはその魂の意思で降りてきます。どこの親から生まれるかも自分で選択するといわれます。よってこの人間界に住む我々は今自分に出来る事、すべきことが必ずあります。大きな時代の流れによって迷いや失望、挫折や悲しみに沈み生きる意味を見失うこともありますが、心の中にある魂を磨くことで自ずと道が開かれます。今年も皆さまにとって良い一年になりますことを、日々祈り続けて参ります。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

令和4年1月




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